秘密の小屋創作掲示板

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お転婆7歳児日記 - 夢喰

2019/05/11 (Sat) 18:31:33

お転婆娘7歳日記

○月×日
お母さんと買い物に行くはずだったのに、お母さんの携帯に連絡が入るや「ちょっと用事も済ませるね」と何処かの事務所に寄った。部屋の中にはお母さんよりちょっと年上の小母さんが2人いて、挨拶のあと、「5分で終わるから」と言い残して直ぐに隣の部屋に行って相談を始めた。

まただ。お母さんの5分は最低でも30分だ。ああ、暇だなあ。と目の前の机をみると、パソコンがある。ゲームかなと思ってマウスを動かしたら、なんだか一覧表みたいなのが出て来た。写真付きの名前と性別と服のサイズと備考が書いてある。

備考には「丸々スーパーのコネ」とか「保子の息子」とか書いてある。何も書いていない欄もあったので、可哀想だからコピペしてあげることにした。でも操作に失敗して「和男の娘」の「男の娘」の文字だけが入ったけどいいよね。あ、ヤバい、服のサイズの所を消しちゃった。なんて書いてあっかな。

上下見るとM185, M175, M165, F165, F155, F145と書いてあったので、最大公約数のF165にしておいた。

とその時にお母さん達が出て来る気配がしたので、あわててパソコンをスリープにする。その直前に、件の男の娘の性別が男になっているのに気付いて、何か間違っているかな、って思ったけど、大丈夫だよね?

○月×日
テレビに「塞翁が馬」という言葉が出て来てチンプンカンプンだったのでお母さんに聞いたら、運が悪いと思っていたけど運が良かったって話って説明してくれた。それだけじゃやっぱりチンプンカンプンなので更に具体例を聞いたら、お母さんの知り合い(この間いった事務所の人)がやっているチェーン店で、ある若者の制服が間違って準備されて、すったもんだして、時給を3割増にすることでその日は凌いだのだけど、それがお客さんにものすごく受けて、売り上げが上がり、その人も時給5割増しでずっと女装を続けてくれることになったという話をしてくれた。ついでに下着も支給するんだってお母さんは言っていたけど、これのどこが「運が悪いと思っていたけど運が良かった」って話になるのか分からない。


○月×日
お母さんと、そのお友達という小母さんと、初めて「仕事」の手伝いをした。定休日前夜に制服をクリーニングしたのを、定休日にロッカーに戻す作業だって。名前を確認して、その人のロッカーに戻すのだけど、背の足りない私は、大袋から制服を取り出して小母さんに渡す役だった。私のお陰で早く作業が終わったので、ご褒美として、小母さんの子供のお下がりとかいうお人形をもらった。うん、この着せ替え人形欲しかったんだ。でも、小母さんの仕事って雑。だって終わった後に私が全部のロッカーを点検したら、汗臭いロッカーがあって、制服もくたびれて、下に落ちていたので、袋に残っていた予備の新品と取り替えてあげておいた。ハンガーに手が届かないので、下の段の所においておいた。色違いみたいだったけど大丈夫だよね。

○月×日
今週も同じ「仕事」をした。というか、自転車を買ってくれるっていうので、お母さんに付いて行ったら、その前にって頼まれてしまった。先週の臭いロッカーが気になったので中を見たら、とっても奇麗になっていて、ウイッグとか肌色で半球状の丸いものとかが置いてあった。ロッカーを見ている時に小母さんにウインクされたけど、何を褒められたのかよくわからなかった。


○月×日
今日はお母さんに連れられて、プールに行った。泳ぐのでなく、水着の売り込みを知り合いに頼まれてサンプルを見せに来たんだって。

水着って、私のは胴体を覆って鬱陶しいんだよね。とお母さんが「女の子が上半身を晒すのは恥ずかしいことなの」と主張するので、諦めて着ているけど、実は、何が恥ずかしいのか分からない。

でも、ここに来て分かった。格好いいお兄さんに混じって貧弱なお兄さんも泳いでいて、そんな貧弱な上半身をさらけ出すのは可哀想だと思ってしまったから。こんなお兄さんにはお母さんも持って来たサンプルがピッタリだろうな、と思う。

○月×日
今日もお母さんんとプールに来ている。□□競泳会と書いてある。あ、この間のお兄さんだ。競泳会に出るらしいけど、あの水着じゃ可哀想だ。なので、お兄さんが着替える前に、胴体を隠す水着をお兄さんの鞄に入れておいてあげる事にした。間違って、パンツだけの水着を使わないように、入れ替えて、あとから見つけられるところに置いておく。競泳会? そんなもの見ないよ。だって今は遊びに行く途中だから。

○月×日
お母さんに連れられて遊園地に行ったら、この間の貧弱なお兄さんにそっくりなお姉さんを見かけた。双子なのかな。それを見た直後に、お母さんがまたも「塞翁が馬」の話をした。男子の部に女の子の格好の子が参加したけど、その子は自己ベストで入賞したんだって。これのどこが「運が悪いと思っていたけど運が良かった」って話なのかわからなかったけど、お陰でお母さんの持って行った競泳水着がもの凄く売れるようになって、おかげでこうやって遊園地に行けてるのだから、私は頷いておいた。


○月×日
お母さんさんが、知り合いから売れ残り品を貰って来た。全部XLサイズで、メーカーのほうから、引き取る代わりに処分をお願いされたそうだ。福袋に入れるのも限度があるそうで、過去の実績からうちが一番有効活用してくれそうだと押し付けられたらしい。お母さんって凄いんだな、とびっくりしてたら「あなたでしょ?」って言われたけど、何の事だか分からない。でも、せっかく貰ったのだから活用すべく、汗臭い服を着ている人に配布する事にした。配布といってもXLじゃあお姉さんたちにはブカブカだし、ガタイの大きなお兄さんたちには細すぎるので、背が低くて肩の細いお兄さんたちに配ろうと思う。

○月×日
一人目のお兄さんに「お兄さんの服は臭いので、これに着替えてくれませんか」って言ったら怪訝そうな顔をされたので、こっそり配布す私はお母さんを一緒に色々なところに行くので、どこに行っても守衛の人に「あ、お母さんならまだ来ていないけど、中で待っていていいよ」と何処にでも入れるから、潜入は簡単だ。

○月×日
貰った服はだいたい配布し終わった。残念ながら大抵のお兄さんはその後着てくれることはないけれど、中にはちゃんと着てくれる人もいて、「良い事をした」と満足した。

YRS遺伝子(修正版) - 夢喰

2018/10/07 (Sun) 15:21:38

雌雄同体の生物(魚など)ではメスの数の方が圧倒的に多い。哺乳類でも適齢期はオスどおしの戦いで勝ったものだけが子孫を作る権利を持つ。例えば野生ニホンザルだが、その群れではオスの大半が「下積み」として、群れ周辺部に配置され、メスのいる中心部には入って行けない。そしてオスの上位の4〜5匹だけがメスと交尾する権利を持つ。だから下積みオスの半数は、その群れでの人生(=交尾の可能性)を諦めて、ヒトリザルとなる。中にはメスの浮気の可能性を求めて他の群れをこっそり追う者もある。

人間だって同じだ。太古より戦争等で男は数を減らしたから、適齢期は圧倒的に女余りだった。近代でも、現代医療の発達以前は男児のほうが死にやすく、やはり適齢期はやや女余りだった。豊かな筈の近代社会ですら、戦争やテロ、生存競争という形で男どおして戦い続け、無理やり勝ち組と負け組を作ろうとする。

これが自然淘汰の摂理によるものだとしたら、次の疑問が出てくるだろう。現代に至るまで人間が男どおしで殺し合っていたのは、女余りの状態を作るための生物学的な行為ではあるまいか? 平和な世界を作るには、出生率の段階から女余りの状態を実現するのが最適なのではあるまいか? となれば、男の余る現代は、殺し合いこそないけれど、生存競争はより過酷になるはずだ。そして、この生存競争心理を起業が上手くあやつって「劣悪労働環境を我慢した俺たちが、我慢出来きずに辞めた落ちこぼれを下にみるのは当たり前だ」という洗脳を社員に施してしまっているのも、男が多すぎるからではないか。それがブッラクな労働環境をあたり前とさせている。

少なくとも、俺たちはそう思った。俺たちとは「彼女なし」「新人退職」の仲間だ。だから俺たちは、女余りの世界をどうやって平和的に作るか必死で考えた。

そこで絞り出されたアイデアが、遺伝子レベルで女の出生率をあげる方法だ。一番始めに思いついたのが、染色体(SRY遺伝子)をキャンセルするような改良X染色体=X'(SRY遺伝子の発現を抑える、言うなればYRS遺伝子)を合成し、それを人類に行き渡らせるというものだ。問題は、X'Yが女となる場合に、X'遺伝子の数は果たして増えるのか? これは親の組み合わせ別に子供がどうなるかを場合分けして考えるしか無い。

XYとXXの親から生まれる子供の男女比は1:1だが
XYとXX'の親から生まれる子供はXX(女)、XX'(女)、XY(男)、X'Y(女)となって男女比が1:3となり
XYとX'X'の親から生まれる子供となるとXX'もX'Yもどちらも女で男女比は0:1となる。
見かけ上は女の子の比率が高いが、遺伝子レベルでみると、X遺伝子とX'遺伝子の存在確率は親世代と小世代で変わらず、X'は増えも減りもしない。

また母親としてX'Yもありうるが、その場合
XYとX'Yの親から生まれる子供はXX'(女)、XY(男)、X'Y(女)のみでYYは成長出来ずに流産となるから、男女比は1:2で女の子の比率が高いが、遺伝子レベルでみると、こちらも親世代と小世代で変わらない。

となれば、問題は、どうやってX'染色体を増やすか。ヒトゲノム編集の技術を使って体外受精の際に卵子にYRS遺伝子を付加するにしても、今のところは倫理的に認められない。こっそり行なったところで、どこかの段階で摘発されて止まるだろう。

となれば、もともと少数だった遺伝子が、世代を超えて増えて行くシステムが必要だ。例えば、XXの女よりXX'の女の方が男にとって魅力的な体でかつ多産になれば、世代を追うごとにX'染色体が増えるだろう。そういう女体とは、スラリとしているのに安産型という、西洋美人の体型だ。そういう体型の人は、尻の細い女性より多産になりやすい。

体型を決めるのは性染色体ではなく、15番染色体などの一般の染色体だ。となれば、体型を司る染色体(ここではTとしておこう)の上にSRY遺伝子の発現を抑えるYRS遺伝子を乗せるのが正しいのではないか? 魅力的な女性体型を作る遺伝子が、同時にSRY遺伝子の発現を抑えるようにするという訳だ。

これを仮にT'染色体と名付けよう。XY+T'Tで(男でなく)女になり、XX+T'Tで魅力的かつ多産型の女になる。この場合、T'染色体が女の生涯出産率を大きくかさ上げする訳で、それがT'染色体を次第に増やす役割を担う。同時にXY+T'T型の女が普通の女から男を奪って、普通の女の生涯出産率が下がるから、結果的にT染色体を駆逐して行く。

XY+T'T型の(男でなくなった)女のほうはどうか? 理論上はT'のお陰で出産率は高くなるはずで、最低でも足を引っ張らないはずだが、人工的な改変である以上、石女になってしまう可能性もゼロではない。それでもT'染色体を増やすには、XX+T'Tの女の生涯出産率を4人以上とする必要がある。

青写真としては悪くない。なので、これを目標にT'染色体の開発に努め、30年かけてついにほぼ完成させた。

しかし、最後の微調整に入り段階で、我々は躊躇した。というのも、最後の男達がXX+T'T'の最も魅力的な女性を選んだとき、子供はすべてTT'となって男が生まれなくなり、人類が滅びるからだ。もちろん1000年後ぐらいの未来の話で、その頃には、危惧を覚えた人類が遺伝子を操作することを考えるだろう。だからこそ開発を進めたが、実践は怖くて出来なかった。

そこで我々は別のアプローチをした。すなわち、T'に乗せるはずだった「魅力的な女性体型は作る」遺伝子を、T染色体ではなく、X染色体に乗せるように修正し、さらにそれをYRS遺伝子と結びつけて同時に発現するようにしたのでだ。これを仮にX"染色体と名付けよう。これだって、男性がXXの女性よりX"Xの女性を、X"Xの女性よりX"X"の女性をパートナーとして選ぶから、次第にX"がXを駆逐するが、X"Yが女性になれないので、X染色体は男性の構成要素として生き残り、絶滅からは免れる。

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方針が決まり、X"染色体を開発し始めたものの、難題には違いなく、それを完成したころは、俺たち「マトモな女と結婚出来なかった」組は年を取りすぎていた。時代はまだヒトゲノムを認めていない。しかし、体外受精は多かったので、その穴をついて我々はX"染色体(正確にはX染色体に追加する「魅力多産」遺伝子)を世に放った。たとい法律違反として罰せられたとしても、老後に生きながらえる気力は薄かったのだ。福島事故で高齢者が放射能の危険を顧みずに現地で頑張ったのと同じ感覚と思う。

時間不足もあり、我々のX"染色体は成功からほど遠かった。なにしろ女の子を「魅力的かつ多産にする」改造が失敗に終わったからだ。それでは、女の比率をじわじわ増やすという当初の目的は果たせない。骨格を決めるT染色体の役割をX染色体で代用しようというのが難題過ぎた。失敗はもう一つあった。X"Yが目論み通りに女の子にはならなかったことだ。つまり、一時的にも女子の出生率を高めることにも失敗したのだ。

とはいえ、完全な失敗ではなかった。X"Yは性器こそ男の子のそれだったが、骨格は女の子のそれだったからだ。骨格の男女差は第二次性徴からと誤解されているが、実際には男児と女児でも全然違う。既に肋骨の違いや骨盤の違いは、この段階で始まっている。だからこそ、遺跡等の人骨から子供の男女も分かるし、女児の声と男児の声も異なる。違いが大人に比べて小さいだけのこと。

それは、俺たちの作ったYRS遺伝子が、少なくとも下垂体など性器以外の性ホルモンを分泌する場所では、SRY遺伝子の役目を完全に抑えていたことを示している。ただ、性器だけが生き残ったのだ。結果として生まれた女児体格の男児は第二次性徴が遅れて、その分、女児体型が中学卒業まで続いた。それはもう、男子の制服が似合わないほどに。そして、第二次性徴もごく僅かで、女性に近い中性的なシルエットの大人となっている。

漫画だけの世界にしか存在しなかった「理想の男の娘」はこうして生まれた。もちろん女装率も圧倒的に高い。

しかし、それでも男だ。しかもX"は女の魅力を高めない。だから、このままではX"は増えないし、もしも男(XY)のほうが男の娘(X"Y)よりも女の子にモテたら、X'染色体は次第に減ってしまう。

このままでは我々の努力は徒労に終わる。とはいえ、1からやり直すには我々は歳を取りすぎた。我々の出来る範囲といえば、開発がほとんど終わっていたT'染色体を、世に出す方法だ。というのも、X"染色体の基礎となっているT'染色体も、男を女にするのではなく、男の娘にするだけの筈だからだ。そして、XY+T'Tが女でなく男(の娘)になるのなら、男(の娘)は絶滅しない。しかも、男の娘が競争相手から外れれば、実質的に男不足となる。それはまさに我々の望んでいた世界だ。

こうして、我々は最後の時間を使ってT'染色体を世に解き放った。その結果、生まれて来る子供は、当初の目論みどおり、
XX + T'T で魅力的な女でやや多産
XY + T'T で男の娘
だった。その身体的魅力は女児のときから明らかで、第二次性徴後に、誰にでも分かる形になった。おそらく中学生以下のアイドルの卵たちは、皆T'T型の女の子だろう。彼女たちなら出産率は3を下るまい。そして、T'T型の女とT'T型の男の平均子供数の合計が4人以上ならT'染色体は増えて行く。

ともかくもYRS遺伝子とT'染色体は既に放たれた。男の娘は既に生まれている。それどころか、女装も男の娘も市民権を得ている。

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長生きしたお陰で、T'遺伝子の孫世代まで見ることが出来た。T'T型の女の平均子供数は4人に近い。ほぼ全員が4人生んでいるのだ。中には5人や2〜3人ってのもいるけど、平均はそうだ。だから、女の子だけでT'染色体は現状維持が出来ている。しかも、男の娘でもそれなりに需要があるようで、子供がぼつぼつ生まれている。それがT'染色体の純増につながっている。

で、注目のT'T'はどうなったか。それは男の娘とT'T型の魅力的多産女との間の子供だ。その間の子供のうち、
XX + T'T' の女は、予想通り、親以上に極めて魅力的な容貌と体型で、何と10歳代から出産していたのである。
XY + T'T' はどうか。嬉しいことに、男として生まれ、生まれた時から、普通の女の子よりもはるかに女の子っぽい体型だった。第二次性徴も現れず、胸を除けば、普通の女性よりも魅力的な女性体型に育った。男の娘が、普通の女より可愛くなった瞬間だ。そんなわけで腐女子と結婚して、妻の役割を内外で演じるお湯になった。子供が出来てすら母親のようにふるっているようだ。もっとも子供は全て体外受精らしい。

いずれにせよ、この世代でも平均でT'染色体がじわじわ増えている様子が見られる。25年で1.3倍といったところだろうか。ということは70年で倍。700年で千倍。1400年で百万倍、1700年で2千万倍。それはすなわちT染色体を駆逐しているに等しい。その暁には男も女も女性体型で、女のほうがより魅力的な体型となる。って、あれ、それじゃ男女比は同じだよな。今と同じく、男余りになりそうな気がする。失敗したかも。

事故体質 - 夢喰

2018/09/09 (Sun) 15:47:48

事故
一回目は転落物事故だった。上半身を挟まれて、まさに車の衝突の際に胸が圧迫するのと同じ理由で(シートベルトはそのためにある)肋骨が圧迫され、救出されるまでに、最早どうにもならないぐらいに肋骨も肩も変形したり折れたりした。
肋骨の一番下は角度が余りにも危険で抜かざるを得なかった。だから僕には肋骨は10本しか無い。肩も砕かれて、医者には「戻らないし、男性ホルモンを打っても成長しない可能性が高い」と言われた。

2回目は衝突事故の二次災害だった。化学工場の露出型タンクの横を通り過ぎようとした際に、大型の配送ドローンがタンクぶつかって破損し、運んでいた化学物質とタンクの化学物質の両方を大量に浴びた僕は、全身から毛が抜けた。髪の毛も体毛も髭もだ。毛根もほとんど駄目になった他、体臭の元のなる組織も破壊されているので、男のフェロモンを巻く事もできなくなった。幸い汗腺としての機能は残っているので生活はできるが、大人になるまえにハゲになったのは辛い。以来カツラをしているが、短髪はださいので、長めのカツラをポニーテールにしてる。ナウいかな?

3回目は転落事故だった。貧血気味の時に苦労して階段を登っていたら、前から駆け下りて来た団体に接触して、そのまま、大きな業務用リサイクル箱に尻からはまった。しかも衝撃で上からボール状の堅い何かが落ちて来てお腹にすっかりはまり込んだ。はまり方が悪く、引っ張っても取れないとのことで、箱を切り裂くしかなかったが、それに6時間も費やしたあいだに、骨盤や恥骨が大きく変形してヒビまで入り、足も内股になってしまった。レントゲンを見た医者は、そのうち戻るだろうと行っていたが、戻る気配がない。あと、6時間、タマがずっと体内に持ち上げられた状態だった上に、恥骨の骨折で救出後も引っかかって、無理に戻すとタマを傷つける可能性があるとかで、タックの状態でヒビが固まるのを待つ事になった。あとで聞くと、「上半身は女の子みたいに華奢だし、肋骨を抜いて腰の位置をわざわざ高くしているし、女もののカツラをしているから、タマも隠したいのだろうとおもって、無理には戻さなかった」との事だった。誤解だ。

でも、医師の話によると、女性ホルモンを使えば、髪の毛も生えるかもしれないとのことだった。ちょっと悩む。

4回目の事故は、混入事故だった。某国産の冷凍食品で、僕の好物だったので、食べ盛りということもあって他の利用者より多くの量を貯めていた。混入といっても全製品ではなく、一部の出荷品だけに影響があったようで、まとめ買いをしていた僕と特に影響が出た訳だ。

おかげで、確かに髪の毛がポツポツ生えている。胸は「大胸筋」と言い張れないこともない。

そんな僕に転機が来たのは、ケーキ食べ放題に友達と行った時だった。前払いの値段が僕だけ安かったので、理由を聞いたら「女性の方は安くなっております」とのことだったからだ。とっさに「男ですよ」と言おうとして、頭の中でお小遣いの会計を考えて、訂正を止めた。

それ以来、女性の振りをした方が得する機会がいろいろある事に気づいた僕は、服もユニセックスしか着ないし、下着もタンクトップはビキニブリーフにするようにしている。とはいえ、いつバレるか不安だ。いっその事、女物を着ようかな、どうしようかな。

僕がユニセックスと思って来ていた服のうち、母親が買って来た分は実は女物だった。僕って親にはそう思われているらしい。でも、今更着るのを止めるのもなあ。

そして、今日。母親と買い物だ。服は女物のTシャツに女物のズボン。ただし男が履いても様になるやつ。
母親についていくと、そこは女性衣料だった。母親の服かと思ったら、僕の服だそうだ。ここで異を唱えれば、僕は戻る事ができる。1年前だったらそうだろう。でも今の僕に、急にこういう場に放り込まれて、即座に反応できるだけの男らしさは失われている。

この日を機会に僕は女装を意識するようになった。アウターとキャミだけだけど、3ヶ月後には下着も女物を着ける日が出て来た。こうなると、髪の毛が気になる。今の僕が医者に行けば、「髪の毛の治療」という口実で確実に女性ホルモンを貰えるだろう。悩みは尽きない。

アイドルは異性恋愛禁止:4 - 夢喰

2018/08/12 (Sun) 15:18:00

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アイドルは異性恋愛禁止:4. 女装男子がアイドル候補生なんて誰も思わない
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夏休みの間に急速に女の子らしい体型になって、急速に可愛らしい女声になって、急速に女の子の動作になって、ブラジャーを着けるようになったミミ君。骨盤が男の子でもキミはすっかり女装趣味の男の娘ね。同級生はその差にびっくりするだろうな。学校の体育の着替えで注目されること間違いなし。そしたら、ブラジャーの跡はもちろんのこと、肋骨が細さ(括れって言ってよいかな)も気付かれるだろうな。ってことはだ、彼がクラスメートから性同一性障害って認定されるのは自然な流れであって、あたしやマネージャー氏の責任じゃないよね。

こうなると、2学期前に髪の毛を男の子のそれに戻すのがもったいなくなる。だから、あたしはチクり娘と計って、彼が散髪を養成所の帰りにあたし達の知っている美容院でするように説得しました。名目はウイッグの使いやすい髪型を教えてあげるってところ。いや、これ嘘じゃないよ。だって、ロングヘアーのウイッグも使える可愛い髪型って限られて来るし。

養成所の帰りなのでミミ君は当然女装。今じゃブラジャーはデフォルトでスカートの日も多いから、その意味じゃ完全女装。そんな格好で美容院で髪の毛切ったら、どんなに「短く」「ウイッグは使いやすい髪型」って言っても、出来上がりは女の子カットなのよね。ミミ君は出来上がりの髪型をみて「えっと、もっと短く」と言っていたけど、女装しているという自覚と、それをバレたくないという羞恥心で「男の子カット」とは言い出せず、とうとう「短髪のスポーツ少女」の髪型にしました。可愛いなあ。

美容院を出たあとは少しショックを受けてたみたいだけど、あたしとチクり娘で「男の子にみえるから大丈夫よ」「そのほうが今流行の中性的な美男子って感じだし」とかフォローしてなんとか納得してもらったの。だから、さすがにもう一度男装で床屋に行くってことはなかった。散髪代だって馬鹿にならないし、母親もミミ君のことを性同一性障害かもって疑い始めているし。

2学期になった時のお互いの「学校愚痴」の中身が楽しみだわあ。

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2学期になって初めての養成所クラスの日に迎えに行ったら、何故かユニセックスのアウターに、下はタンクトップに近いシルエットのブラトップになっていた。これは学校でなにか言われたな、と思いつつ理由を聞いたら、案の定、同級生の女の子から「先週の○曜の夕方○時ごろ、○○通りを歩いてなかった? 顔が似てたけど、髪も服も違ってたから別人だと思って声を掛けなかったけど」と声を掛けられたそうだ。ははは、バレてるバレている。きっと1学期の末のミミ君の体型から疑念を抱いていたのだろう。しかも夏コミでお姉さんとかが女装男子の薄い本とか手に入れていいるかもしれない。そんな時に、今のミミ君の男の娘ぶりを見たら、もしかしてって思いつつも、『まさかミミ君がねえ、きっと妹か親戚なのよね」とでも思い直したのだろう。それで気になるのは当然よね。

もちろんミミ君は「違う」って答えたらしいけど、そんなじゃ疑問は残るよ。それはミミ君も分かっているだろうから、この格好なんだね。でも「下手に養成所に入って行くところを見られたら不味いんじゃないの」って忠告したら、あっ、という顔をしていた。まあ、今日だけは回りに気をつければよいか。とりあえず解決案をだしておく
「それより、変装を完璧にしたほうが良いんじゃないの? そのほうが演技の練習にもなるし」
ついでに定番のサングラスは
「サングラスなんてのは皆に注目を浴びるアイテムだから却って目立つよ」
って脅しておいた。分かる人にはミミ君と分かる格好だから見ている方は面白いわけで。

問題の髪の毛だけど、こっちは咎められなかったって。「君、その髪の毛」とまでは言われることも何度かあたったらしい。でも、その後は「あ、いいよ。清潔感が出ていれば」って言われたってオチ。ミミ君は「なんだか、ぎりぎり校則には引っかからなかったみたい」とか言っていたけど、違うと思うね、お姉さんは。

次の養成所の日は、アドバイスに沿ってミミ君はしっかり化粧をしてきた。更にロングヘアーのウイッグをして、付け睫毛までして。うん、そっちの方がいいよ。妹はまた一皮向けて可愛くなって、がお姉さんとしても嬉しいな。っていうか、はじめからそんな風にしていれば近所の人にも、ミミ君じゃなくて知り合いって思われたかも。だってあたしも毎回来ている訳だし。そう言ったら、いかにも失敗したって顔をして
「あっ、そっかー」
て口に出してたけど、でも、長い目でみたらいつかはバレる訳で、今のように近所の人に徐々に「学校は男子だけど他の外出は女装」
って思わせるようにしたほうが無難じゃないかなあ。そう説得したら、さすが男の子、理詰めだとちゃんと
「確かに、今の方が理想的かも」
って納得してくれた。

ってことは、ミミ君も近所に人への女装バレについては慣れてしまったってこと? へえ、意外と早く慣れるものだ。

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その日の行きがけの雑談でももう一つニュースがあった。始業式の翌々日、保健室に行くように言われ、そこでなぜか身体測定を受けて、そのあと悩み事がないか聞かれたらしい。身体測定で春より体重・胸囲とも減っていたから、心労のせいじゃないかって心配されたんだろうと思って「ちょっと色々あってダイエットすることにしたので」と答えたら、納得してくれたって。ははは、ミミ君絶対それ誤解される答え方だよ。

ニュースはまだ続いて、その際に背中の日焼け跡に気付いてるかどうか聞かれて面食らったって。正確には、体を細くするのに特別な何か、例えばブラジャーみたいなやつで締め付けているのか聞かれたみたい。そりゃ聞かれるよ。だって、体重と胸囲を測ったってことは、下着のシャツも脱いでいる筈だから、ブラジャーの跡は完全にバレる筈だもの。っていうか、ミミ君、自覚してるよね? だってミミ君がスポブラ着け始めたのって、あたしが水着の日焼け跡の目立つことを何度も言ったからだからさあ。あ、ちゃんと自覚してるのね。じゃ、なんで面食らうのかな。

聞けば、実は胸囲を測った時は下着のシャツ越しで、そのあと、衝立ての影で体重を量ったみたい。シャツ越しならブラジャーのシルエットならともかく、日焼け跡なんて分かるはず無いけどなあ。ミミ君もそう信じたからこそ、知らないで通したんだろうけど。でも、もしかして男物の夏用の薄いシャツならそういうこともあるのかもね。それに保健の先生は、はじめから疑った目で見ていただろうし。だって肋骨が細いって、要するに締めているってことで、そこからブラジャーの連想は大人の女の人なら出て来そうだし。あるいは、単にカマを掛けていただけかも知れないし。

そんな風に説明したら納得してくれて、ミミ君もちょっと安心したみたい。だって体育の着替えでも下着のシャツを脱がずに体操服を着ているものの、そのシャツで隠せなかったらあまりにも恥ずかしいから。うん、わかるわかる。あたしだって、今の段階でミミ君の女装とアイドル秘密訓練がクラスにバレるのは不味いと思うもの。だって、下手にバレたらアイドル養成所も止めかねないもの。もちろん女装もすっぱり止めてしましそうだし。そうなったら、あたしの愚痴を聞いてくれるだけでなく、普通の人では絶対にあり得ないようなオモシロイ悩み、例えば今回のような悩みを持ち込んでくる癒しがいなくなる。今じゃあたしも本格デビュー一歩前で、どさ回りレベルなら常に一列目、なんとテレビ放映されるようなイベントでも再後列で踊らせてもらえるし、学園もの番組のエクストラとしても引っ張りだされることが増えて、同期の羨望を受けてストレスが溜まりやすくなっているんだ。

なので、翌日ミミ君のところで、実際に男物の下着シャツの薄地を着てもらいました。それで後ろ姿をみたのだけど、ミミ君に水着の日焼け跡があると知っていれば、うっすり違いが見えるかもしれないけど、ぱっと目には分からないなあ。そう伝えたらやっと安心してくれた。

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今回のことで、どんなきっかけでミミ君がアイドル養成所をやめるか分からないというリスクを感じたので、マネージャー氏に相談しました。だってミミ君だって、デビューさえすれば責任感から止めにくくなるだろうし、奇麗な服で「変装」している自分が皆の脚光を浴びているという高揚感を覚えれば、責任感とは無関係に、たとい女装バレしれて続ける可能性が高くなるだろうから。だって、あたしがそうだもの。普段のあたしが脚光を浴びるのはうざいというか疲れるけど、ステージで脚光を浴びるのは快感で、その切り替えが衣装にあるって気がするんだ。ならミミ君も同じ筈。

そんな話をメネージャー氏とした所、なんと10月の新シーズン開始を機会に、彼を小学生・中学生ものの学校ドラマのエキストラとして使い始める方針だって。ステージより、俳優系のほうが向いていそうだから。もちろん女の子役で。

アイドルは異性恋愛禁止:3 - 夢喰

2018/08/11 (Sat) 22:21:55


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アイドルは異性恋愛禁止:3. 性がバレてはいけない訓練生
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こうしてミミ君は2月から養成所の仲間になりました。パチパチ。もちろん、自宅を出るところから女装するようになって(アウターはスポーツ系でウイッグもショートカット系のフード付きだからご近所さん対策は問題ないみたい)、あたしも話は随分と楽になったのです。あ、帰り道は例のチクりっ娘に任せることで手打ちね。でも、行きだけでなく、自由な時にも会えるってのが大きいかな。

ちなみにアンダーは養成所まで行き帰りも女物ね。ブラジャーは使わずキャミかブラトップで、上にもう一枚羽織れば分からないって感じで。それでも、ショーツガードルとか彼はかなり抵抗して、男物のビキニとか履いてくることもあったようだけど、そのたびにあたしが玄関で指摘したから(その為に迎えに行っていた)、1ヶ月で諦めてくれた。だって、罰で履かせるショーツは、ミミ君が自分で選べるショーツよりはるかにフリルとかが多い派手な奴だったからねえ。あと、中学2年になる前の心機一転ってやつもあったかも。

ショーツに慣れさせたあとは、当然ながら下着姿になっても男だとバレないような細工ってことで、もちろん自宅を出るときからして貰う。こっちはもっと抵抗していたけど1ヶ月で諦めてくれた。人って慣れるものだね。そうそう、ウイッグの方は長さを少しだけなら調整できる奴(最近の技術ってすごいよね)、偽尻というか偽腰のほうも(昔から色々な種類はあるけど)技術の発達でとっても皮膚らしいやつを、どっちも養成所で手配してた。

そういうこともあってミミ君って日を追うごとに可愛くなっていく。女物の服の着方だけでなく、スキンケアとか体型矯正とか、歩き方とか。さすが養成所に通うだけのことはあるよ。あたしだって「カワイイ女の子」として観客に魅せるための訓練を受けてきたからわかるな。頭の良いミミ君なら吸収するのも早そうだし。

なんだか妹が開花して行くようで嬉しい。っていうか、あたしは5月生まれだから、1年近く歳がちがうのよね。妹じゃん。あたしの兄貴があたしに協力的なのも、こんな気持ちなのかな。これが本物の女だとお姉さんとしては嫉妬するのかもしれないけど、異性って分かっているからそんな気もしないし。

ミミ君も努力しているみたい。だって今では養成所のないオフにばったりであっても、女物ボトムスから微かに透けるショーツラインは明らかにショーツだし、尻や腰も自然に膨らんでいるから。普段から、下着はもちろんのこと、裸でも男とバレないような処理をして過ごしているんだろうね。

でも、女装を楽しんでいるという感じじゃないか。アイドル訓練生の先輩の目からみると、演技って分かるもの。それを見て、あたしも身を引き締める。あたしだってきっと未だに演技と分かるような可愛さなんだろうなって思っちゃうから。アイドルへの道は険しい。

ところでミミ君、学校はどうしているのかな? 男物の下着を着て、仕草が習い癖で女っぽくなってないかしら。
あ、まだそこまではやっていない。そうですか。
でも、いつかきっと。

悪い道に引き入れたかなあ。

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6月になりました。薄着の季節です。ってことは、ブラトップ+薄いアウターになることがあるってことで、移動もホットパンツを使うようになるってこと。バレる危険が高くなる季節だけど、ミミ君のシルエットは、元々が中性的なのを、肋骨を締め、腰や尻を盛ったお陰で、ユニセックスの服でもご近所さん以外は女の子だって思うはず。だからホットパンツ姿のミミ君は、レインコートのフードで頭を隠しても女の子のそれ。実はご近所さんにもバレバレです。

でも大丈夫。2月から今まで、徐々に女の子っぽさを出してきたから、ご近所さんも「女の子になりたい男の子だったのかな」って思ってだろうよ。知らぬは本人ばかりなりだね。

レインコートのフードが暑苦しくなった7月からは、ウイッグを隠すフードなし。はじめはご近所さんに見られるのは恥ずかしいとか言って駄々をこねてたけど
「なに寝ぼけたこといってるのよ。とっくの昔のご近所さんはミミちゃんが女の子の格好をしていることに気付いているんだから」
って目を覚まさせて、お母さんにも応援してもらって、玄関から女の子の髪を晒してもらいました。ご近所さんに会ったけど、びっくりした様子はゼロ。分かりきっていたんだよね。その反応にミミ君は落ち込んでたけど、そんなメンタルじゃアイドルは無理よ。

なので、勢いで2週間後にスカートも履かせてみました。家から出て通りまで2人ほどご近所さんに会ったみたい。本人はうつぶせで歩いていたから分からないだろうけど、ご近所さんの反応は問題なし。ポーカーフェイスかもしれないけど、要するにそういうことだと思う。でもやっぱり恥ずかしいのか、なかなかスカートを履いてくれない。

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こうして夏休み。養成所では当然ながら水着撮影で「魅せる」ための講習があります。1回目2回目は室内で。3回目は海で。ミミ君をどうするか、マネージャー氏と相談しました。ミミ君は運動神経ゼロだからアクション系パフォマンス系おバカ系は無理だけど、私立中学に行っているだけあって頭が良いから演技系複雑ダンス系は有望で、有望である以上、バレないのであれば今年から水着デビューをさせたいんだって。

胸は問題ないな。去年の水着講習で同期の同年代の胸を見たけど、水着に完全に包まれて、肌の部分が本当に盛り上がっているのかどうか分からなかったから。13歳ってそんなもんよ。ミミ君の体は去年のあたしよりちょっと小さいぐらいだから、胸は水着で完全に隠せるね。股間もまあ色々隠す方法があるらしい。問題は腰ー尻ラインと、肋骨。

いくら矯正をしているとはいっても、まだ半年にもならないから、無理にアンダーを締めた不自然感が残るのよね。なので水着デビューするならワンピース一択だけど、今の時代にビキニを見せないのはアウト。ってことで、大事をとって、今年はパス。っていうか、水着がないってことはデビューが遅れるってことだから、同期生はライバルが減ったと思って喜ぶ筈だろうって判断もあるみたい。演技クラスとか中途で入って来たのに他を抜いちゃっているから、嫉妬のあまり男の娘だとバレてしまうリスクがあって、それを防ぐ意味もあるみたい。正解だったかな。

でも海行きをハブるのはおかしいので、「見学」という名目でミミ君も海は行くことになりました。あと薄着が多くなるのでウイッグで誤摩化すのが面倒そう+夏なら髪は短いだろうってことで、一学期末に切らなかった髪を女の子カットにしました。秋までに伸び方が足りなかくても、短い髪用のウイッグはあるので、2学期前に髪を切ればよいわけだし。

で、髪の毛が女の子になった以上、夏休みは女の子として過ごすしかないわけで、アウターも完全に女の子らしくしてもらいました。つまりパンツ系、ユニセックス系でも、偽腰など女の子の体型にして貰うってこと。これってちょっと近所への買い物でも女装しなきゃならないわけで、その度に体型補正をし直すのは面倒なのよね。なので髪を切って1週間もしないうちに常時女装になったみたい。男装は寝る時だけかも。あと、声を女の子じゃないといけないってことで、毎日女子声の練習を練習をして貰っています。

もっとも髪の毛の件は誤解もあるのよねえ。だって女の子カットでも、アレンジの仕方次第で男の子でもおかしくない髪型は可能だから。だって、もともと男の子カットだったのを切りそろえたのだから、女の子にしては短いのだもの。でも、そんなことを教えるう必要はないし。

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で、いよいよ海撮影の当日です。見学とはいえ、一応、ホットパンツと薄地のトップスの下には、ビキニを付けてもらっています。もしかして、これってミミ君のブラジャーデビューかも。恥ずかしそうにしていたのはそのためか。その割には、素直に着て来たなって思ったら、そういや、3週間前から「水着デビューを阻止するように頑張っているから」「協力しないなら、むりやり水着撮影させるから」って脅してたな。ははは忘れてた。

海辺って日差しが強いわけで、薄地のトップスぐらいでは、その下は日焼けするのよね。しかもトップスをしている安心感から、紫外線クリームをつけ忘れる。そんなミミ君の上半身には見事のブラジャーの跡が残りました。本人はまだ気付いていないみたいだけど。だって気付きにくい位置にあるから。姿見で裸で後ろ姿を見なきゃ分からないだろうな。

一ヶ月で消えるのかな? それはもったいないな。だって、これからはブラジャーにも慣れてもらわなきゃならないもの。だってさあ、薄いアウターを着ている時は「暑いから」って理由で、ブラトップじゃなくて、薄地のキャミを着ようとするのだもの。女の子は、あの暑いブラを毎日してるのよ。贅沢言うんじゃないの。

だいたい、暑かったらキャミのかわりブラジャーだけ着けて、その上に薄地のアウターを着るのが正しいのよ。あるいはブラトップだけでアウターを羽織らないとか。それって女装アイドルになる訓練でもあるのよ。もう。

だから、夏休みだけでも薄地トップスとブラジャーの組み合わせをやってもらおうと思ったけど、本人にはその覚悟がまだ出来てないみたい。もどかしいなあ。だって、ご近所さんはミミ君のことを性同一性障害か女装趣味か、そんな感じの男の娘っていう目で既に見ているの。もっとも、そうは分かっていても、ブラジャーをしているところを見るのと見ないのとでは、ご近所さんの理解度が違って来るんだけどね。スカートデビューは済ましているのだから、問題ない筈だけどなあ。

プランBとして、プライベートに海に誘いました。あ、チクり娘との共同作戦ね。マネージャー氏のバックアップ(足)付き。要するにミミ君が男の子であるという事を知っている者だけの海です。海行きは、ミミ君にとってはあたし達「アイドル候補生」に外で会うってことだから、女装が前提で、水着も女装。そう、ついにビキニデビューなのです。せっかく買った水着がもったいないでしょ? それに尻を膨らませる人工皮膚というか偽尻というか、そういうグッズのテストって意味もあったみたいだし。こっちは養成所の提供。

はじめは恥ずかしそうにしていたミミ君だけど、水の中で尻を隠したとたん、バレる心配がなくなって急に活動的になりました。やっぱり男の子ね。水で遊ぶのは好きだったみたい。そして、その様子をみて、胸の方はバレないと思っていることも分かりました。その結果、ミミ君にはブラジャーの跡が見事に残ってます。

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マネージャー氏が頭を抱えてる。
「これじゃ学校でバレてしまうよな」
言われてみればそうだけど、でもさあ、ミミ君が女装していること自体は広まっても構わないんじゃないの。だって、学校じゃ男子服なわけで、もしもテレビとかでちょこっと出てもメイクアップとかで全然分からなくなると思うんだ。そんな風に話したら、さすがマネージャー氏
「よし、方針が決まった。今後はミミちゃんは普段も女の子になってもらおう。君たちと会うのも今まで通りで大丈夫だろう」
ってすっきりした顔をしている。あ、もしかして学校バレはミミ君に悪いって思ってたのかな。

でも、話を良く聞くと、女の子になるって、「性同一性障害」を演じてもらうってことだった。つまり、ときめく対象も男の子っていうこと。演ずるだけだけとはいえ、人権問題とかもあるから、デビューまでにしっかり話を付けないといけないらしい。今の段階でミミ君に直接説得するのは難しいけど、デビューを1年後とすれば、不可能では無いだろうとのことで、もちろん、その為にはあたしやチクり娘の協力が必要らしい。この道に引き入れた責任を感じるし、あたしのデビューにも関係するから協力にはやぶさかではないけど、ちょっと良心が傷むなあ。

とりあえず、ブラジャーに慣れさせることから始めることに。だから海のあと「ブラジャーの跡が透けて見える」「ブラジャーの跡があるのにノーブラで薄地のアウターを着たら、痴女って思われる」っ説得して、ブラジャーを常時着させるのに成功しました。スポブラだけど、だからこそ、ブラジャーなしでは恥ずかしいって思わせるのに良いみたい。ハードタイプなので肋骨を締め続ける効果もあるし。一種の洗脳よね。でも、そんな姿を見たご近所さんが当たり前の顔をしていたのにミミ君が気付いた時は、何度目かのにショックを受けていたみたいだけど。

ブラジャーの効果で、スカートにも抵抗がなくなったみたいで、「腰のラインを隠すスカートほうが男バレを防ぐ」て言ったら、喜んでスカートをするようになった。髪の毛だって女の子カットだし、腰ラインで男ってバレる方が恥ずかしいものね。もちろん、今のミミ君の偽尻偽腰技術なら、パンツ系どころかタイツみたいなぴっちり系でもバレないと思うけど。でも、スカートはいい。だって、下着が見えない歩き方、意識するんだよね。それが無意識にできるようになったら、女の子の歩きかた、女の子の座り方合格ってことで。

それにしても、ブラジャーのサイズに全然問題なかったのは驚いたなあ。65AAって、アンダー65ってことよ。それよりちょっと下の、肋骨の一番細いところが60センチってことよ。学生ズボンの市販品は一番細いサイズですら胴囲61センチなのよね。そのサイズよりも恐らくミミ君は細い。中学2年だっちゅうのに。

この半年、ミミ君がしっかり肋骨を締めてきたことがわかるわあ。とはいえ、まだ普通の女の子ほどには下すぼりじゃないから、上の方は普通の女の子よりも細い訳で、胸囲というか脇下はあたし達より細い。背も少し伸びたとはいえ、まだあたしが勝っているし。要するにあたしより小柄の「可愛い妹」なのです。

肋骨が細くなったせいか、地声が女声に近づいている気がする。男の声が低くて太いのは肋骨のせいで、肋骨の下が角笛のように細くなっていたら声が軽く高くなるのは当然なのよね。木琴鉄琴のパイプが短いほど音が高く、パイプの直径が短いほど音が軽くなるのとおなじで。喉仏はそれを強調するだけで、あまり重要じゃないの。そんな素地のなかで毎日女子声の練習をしてたら、一気に女声が板につくよね。しかも可愛いアイドル声が。この勢いで上手くなられたら、体格のよりよいあたしより可愛い声を出すようになるかも。

アイドルは異性恋愛禁止:1 & 2 - 夢喰

2018/08/11 (Sat) 21:48:19

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アイドルは異性恋愛禁止:1. スカウトされたら恋愛禁止だった
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アイドルの養成部門にスカウトされた。

うんうん、あたしなら当然ね。クラスでも3本の指には入る自信があるし。あたしに気のある感じの男の子も数人いるし。ファン以上、片思い以下ってやつ。

そりゃ、格好いい兄貴のいるあたしには、みんな幼稚すぎて、誰とも付き合う気にもなれないけど、便利君として使って上げてはいるから、君たちのガキっぽい気持ちなんか筒抜けよ。

そんなあたしは、アイドルにスカウトされて当たり前。だからスカウトに出会う出会わないは偶然だって思って、売り込むなんてハシタナイことはしなかったの。それって自分を安売りしてるようなものだもの。

でもやっぱ、実際にスカウトされると嬉しい。だって、もう11歳だよ。来年には中学生にあがるんだよ。あたしの美しさと可愛さなら2〜3年前には声がかかるって思ってたのに、こんなに遅くなるなんて。だから、街でスカウトされた時、悩む振りをしても、アイドルになることは決めてたんだ。

でも、意地はって小学3〜4年の時に売り込まなかったのは損したかも。だって、スカウトって「応募するように説得される」行為ってことで、結局は自分から売り込むのと同じだし、よしんば面接(あ、その場にもスカウトのオッサンはいたんだけどさあ)で通っても、あたしより技能も頭劣る連中が先輩面して、顔が同じぐらいっていう理由だけでデビュー待ちの先順にいるんだから。

で、一回目の顔合わせというか、面接の時に言われたのが、恋愛禁止ってこと。うわ、すっかり忘れてた。中学に入ったら、今の同級生みたいな餓鬼ばっかりでなく、ちゃんとした男の子がいるだろうにって期待してたから。ああ、でも今はいないんだからいいか。彼氏候補が見つかったら、その時考えようっと。

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養成学校って、頭の悪い子ばっかり。みんな、教えられたことは出来るけど、アドリブ力がないんだもの。だからあたしみたいに、想像力のある人間って直ぐに頭角をあらわすみたい。しかも指導者の要求するアクションとかで意図の分からないところは兄貴に聞けば男の子の視点できちんと解説してくれる。だから、3ヶ月で明らかな差がついちゃった。たとえば練習させられる歌が他の子より多かったり、合同稽古で、台詞と表情の組み合わせが一番難しい役を指名されたり、色々と。ハイライトは5ヶ月目、どさ回りレベルの舞台の端っこだけど、それに出させてもらった。もちろん同期の誰よりも早いし、聞けば、半年前の組でも、まだ半分しかその手の機会がないんだって。でも、よくよく聞くと、次の募集組への宣伝にするとか。たしかに「前回の募集の組の中から、その前の訓練生の順番を飛び越してデビューした小学生がいます」なんてやれば養成学校の印象もよくなるよなあ。

でも、そうなると、同性の嫉妬がすごくて大変なわけ。だって、それをなだめる方法が女のあたしにはないんだから。嫉妬をなだめることが出来るのは異性だけ。ラノベなんかの百合っぽい話で、可愛い女の子が同性の女の子の嫉妬をなだめるなんて話があるけど嘘っぱちも良いところよ。女の子の「可愛い」ってのが効くのは、男一般と、ずっと年上のお姉さん(年増のおばさんはきっと駄目)、年下のチビっ娘だけで、同年代の女の子に対しては逆効果しかないんだから。どんなに下手に出ようが逆に女王のように超然としようが、養成学校にはいってくるような「とくに嫉妬心の強い」女の子たちは懐柔できないの。

でも、指導者の言うには、嫉妬からのトラブルを防止するのもアイドルの仕事に一つだって。頭角を現すほどに増える練習ノルマとあいまって、小学校卒業前も中学の1学期も学校のクラスメートとか男友達とかを考える暇なんてなくて、いつしか夏休み。小学の同級生の誰がどこの中学に行ったという情報とか、中学の人気先輩情報とか、キープしても悪くないクラスメート男子とか全然知らないまま。

そんなだから、去年まであたしへのアプローチというか忠犬度というか、それが一番高かったミミ君(3月30日生まれだからミミオって名前だって)とかアキ君とかユウ君の姿がないことにずっと気付かなかった。なんだか便利君が減ったなあって思った程度。で、その彼らを思い出したのは、夏休みにばったりミミ君と街で出会ったから。糞真面目にも制服で、それも有名私学だったから、声をかけられるまで分からなかったけど。

久しぶりなので話をしたんだ。飲み物のスポンサーはミミ君のお母さん。そのまま、おばさんはこれ幸いと買い物に行っちゃった。店内を見ると、男の人たちがガキと荷物の番をしているから、要するにそういう場所で、男の子と2人きりになっても、同じ避難民と思われるだけ。中には私がマセた姉妹と思ってる大人も多いと思う。とりあえず、異性との接触っていう噂にはならないよね。

それにしても彼は嬉しそうだなあ、って、そういや彼もあたしに色目を使っていた取り巻きだったんだ。悪い悪い。話しやすさばかりが記憶にのこって、どうでもよい情報は忘れてしまうのよ。どんなに頭が良くても、その運動神経の無さと貧相な体じゃあ、男としての記憶は残らないからね。だって、身体測定で胸囲が男子で一番小さぐらいに華奢な体だったし、50mダッシュで肥満児の子にも負けたばかりかクラスの女子の大半にも負けてたし。

今だって彼女無しだろうなあ。ただでさえ、体のスペックが低い上に、中一って、女子は同級生より先輩に憧れ始める時期だし、唯一の取り柄の頭も、私学じゃあたりまえだろうし。

いやいや、それは小学校での話、今は少しはマシかもしれないと、憐憫を持って彼を見直しても、華奢な体は全然華奢なまま。きっと球技は今も駄目なんだろうな。あたしみたいに、公立にしとけば、まだ一芸でどうにかなったんだろうけど。あっ、でも、その身体スペックじゃあ、公立中じゃ虐められるかも。

そんな彼だけど、ちょっと話をしただけで、クラスでは一番気楽に話せた男の子だった感覚を思い出した。だって頭が良くて、あたしが何を言っても大抵理解してくれたから。今日もそう。クラスの子では理解してもらえないことも分かってくれるし。そればっかりじゃない。他校ということで学校内の愚痴も言えるし、同性からの嫉妬などへの愚痴も言える。

そのついでに、あたしが私立に行かなかった理由もいつの間にか話してた。私学だと、どうせ美人が集まってちやほやされないとか、そもそもアイドル養成で金食い虫だとか、「私学に移る必要があるぐらいに有名になる」ってのも目標のひとつだからだとか。

アイドル養成に行っているのは実はまだ秘密なんだ。だってデビューできずに終わる子も多い訳で、デビューできなかったら、あたしの容姿に嫉妬しているような女子クラスメートから大げさに馬鹿にされるの決まってるもの。まだ1年足らずじゃ、いくら出世頭でも、どさ回りレベルの隅っこの、たまたまマイナー局の放映が会った所で、映るかどうか分からない場所。テレビデビューまではまだまだ遠いの。

だから知っているのは担任と学年主任ぐらい。でも、ミミ君はよその学校で、しかもあたしに未だに好意を持っているのが見え見えだから、秘密は絶対守って売れるでしょ。そんな意味じゃあ、彼って丁度よい愚痴相手? 便利だって思っちゃった。でも、それってアイドル事務所からは交際ってことになるのか。やだなあ。ま、とりあえず連絡策だけは交換しておこうっと。

そして2学期。運動会の準備で女子同士で駄弁っていると、もう話の4割は他人の「付き合っている」情報。そんな話ばかり聞いていると、見栄でも彼氏が欲しいなあと思ってしまう。何たって、あたしは「モテる」女の子なんだから。アイドル恋愛禁止条項の抜け道ないかなあ。でも、クラスメートは駄目で、同じ学校も駄目よね。どんなにこっそり付き合ってもバレちゃうし。

あと、切実な話、愚痴を言える友達は欲しい。愚痴相手だから、女友達は全部駄目。アイドル養成学校でいろんな物語や実例を頭に叩き込まれたけど、その結論はあたしの結論と同じで、要するに女の「親友」は恋バナでは信用するなってこと。

となると、思い出したのがミミ君。彼氏にはほど遠いけど、愚痴相手には便利。夏に会ったあとに噂にならなかったから、あの場所で会う限り大丈夫かもと思ったりもする。だから連絡を取ったんだ。というか彼からは週一ぐらいでメールが来るから、それに返事しただけだけど、直ぐに同じ場所で「偶然」出会うことになりました。

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アイドルは異性恋愛禁止:2. 同性の嫉妬って怖い。そのしわよせは彼に
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ミミ君とは9月と10月に会ったんだけど、その2回目をアイドル訓練所の同期生に見つかって、チクられた。これだから同性の嫉妬っていやなのよね。

マネージャーに呼び出されて、何の用事かな、また訓練が増えるのかなって思いながら行ったら、いきなり
「男の子と会ってたでしょ」
って言われたものだから、しどろもどろで
「だって**ちゃん(とっさの判断で『ちゃん』で呼んだ)って、とっても華奢で運動ゼロで、全然男の子(異性って意味)って感じがしなかったから」
と、模範解答からほど遠い答えをしちゃった。あ、この答えは駄目だ、ってクビの危機を一瞬感じたんだけど、幸い、まだ訓練生ってことで
「はいはい、言い訳は良いから、今後は気をつけて。あ、連絡も事務連絡以外は駄目だよ。相手の携帯の履歴を誰かに見られるとかで、他人にバレる可能性があるからね」
という注意で済んで、とりあえず大事にはならずほっと一息。瞬間、現実逃避に「アドリブ力な足りないな」なんて思ったり。

でもちょっと困っちゃった。だって、彼以外に愚痴をこぼすのに良い相手っていないし、次に会う約束もしているし。とりあえずメールで今日の経緯だけは知らせておかなきゃ不味いよね。男の子とは会えない、っていうと、まるで人気アイドルみたいで、デビューすらしかなったら恥ずかしいんだけど。

っていうか、会えないってのも建前で、見つからなければ良いのよね。見つからないような場所(全然違う街とか)で会うとか、変装して会うとか。 

見つかってもチクられなければ良いのよね。羨ましいと思われないとか。相談のボランティアなのかな、とか。あ、嫉妬対策もアイドル訓練の一つってこういうこと? でも、でもミミ君なんか、まさに男の子って感じじゃなくって、羨ましがられるはずはないけどなあ。ああ、あの制服。そっか、容姿や運動能力じゃなく、単にエリート校の生徒と会っていると思われたからチクられたんだ。 

そんなことを考えつつメールを出したから、ついつい「男の子っていうか、男の子って分かる中学生とは会ってはいけなくなった」と書いた勢いで「あ、だから女の子に見えれば良いのかも?」
と続いて書いてしまった。送信して、うわ、恥ずかしいこと言っちゃった。腐女子認定されそうで怖い。

でも、ひょうたんから駒ってのはこういうことを言うんだね。真面目ちゃんの彼は、私のメッセージを「辛いから会いたい」と取ったらしく翌日になって「女装って、どうやって?」という具体的指示を伺ってきたんだ。

そこからは、まあ、勢いというかなんというか。とにかく、流れをぶった切ったら全てがゼロになるという不安で色々指導しちゃった。あたしのお古やウイッグを渡す手だてとか(街でばったり出会って、私がかばんを置き忘れるという流れね)、彼が女装に着替える場所の提案とか(多目的トイレとか)、家での試着の自撮り写真があまりに酷いので指導する羽目になったとか。

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いろいろあったのだけど、とにかく彼との「デート=愚痴聞き大会」は約束の11月にできて、あたしも嬉しいし彼も嬉しそう。あたしだって彼の愚痴も聞いてあげているからおあいこね。私学に入って、得意の勉強すら他人と大差ないと気付いて、自分の「特別感」が打ちのめされているらしい。うんうん。わかる。あたしだって、今の公立ですら一番の美人だとは思ってないもの。それを補うのが「アイドル能力」なの。

それにしても、あたしのお古が使える体つきってなによ。ほんとうに男の子とは思えないのねえ。ウイッグだけで女の子に見えちゃうんだもの。ウイッグとスカートの組み合わせだと、女の子「にしか」見えないのだもの。

とは言っても、やっぱり男の子で、胸囲っていうか肋骨の上の方はあたしよりはるかに小さいのに、その下はウエストに繋がるところはあたしより太くて、まさかあたしの2年前のスカートが入らないとは思わなかった。だから、試着の自撮り写真を使っての指導が始まったんだけど(彼の「きついけど大丈夫?」というメールから始まったんだよ)、女装に違和感のない体つきと、女装が自然にできる体つきって違うのねえって、思っちゃった。

2年前のあたしのスカート、ミミ君なら履こうと思えば履ける。でも、それは肋骨と骨盤の間の骨の無い所でホックをとめた場合で、それだとウエストが低すぎて、みっともない感じで目立つのよね。ミミ君の女装は、あたし達の「愚痴デート」が目立たないようにするためだから、地味で目立たない女の子じゃないと駄目なの。しょうがないので、昨年のスカートのうち、この秋にまだ使わず、今後もきっと使わないだろうな、って思った奴を渡すことにした。ついでにスカートに吊り紐を付けて、吊りスカートに改造。肋骨をゴムひもか何かで締めてもらえば完璧なはず。ミミ君には履く時に尻を少し膨らませてもらおうっと。

その成果が目の前にある。まだ声変わりもしていないみたいで、横隔膜を無理やり締めているせいか、その声もボーイソプラノほどに太くなく、ますます女の子に近い。これならばっちりね。ああ、でも、これから第二次性徴がはじまるんだっけ? 肩幅が広くなったら駄目よねえ。喉仏が出ても駄目よねえ。まあ、仕方ないのだけど、会って話すのを他人にみられても分からない程度にはごまかせると思う。

それはそうと、色々改善点あり。だって下に短パン履いているのは透けてわかるんだもの。せめてスパッツにしなさい。それがだめならブリーフ。あと、お尻。前は上手く隠したつもりだけど、横からみると、後ろの尻の膨らみと前の膨らみ(隠したって膨らむんだね、知らなかった)のバランスが悪い。前もって注意はしたけど、自撮写真でそこまでは分からなくて、彼に任せたらこの有様。なので、しっかりと尻パッド、っていうかお古のパンストの付け方を教えておいた。となったらやっぱり下はスパッツね。

あと、あたしからお土産。お母さんのガードルのお古の太腿のところを切った奴。これ、輪ゴムより幅広で、輪ゴムより薄くて、しかも口径が大きいから、何かを留めるのに便利なのよ。大切なものを梱包用のプチプチシートに包む時とか、輪ゴムじゃ強度が足りない時とか、いろいろ。だから肋骨を締めるのに試してみてね(ハート)。

その後、2回目、3回目とミミ君の女装は上達して、なんと、3度目は2年前の「ウエストの細すぎる」スカートも無難に履いて来てくれました。スパッツの代わりにレギンスだし。あたしのお古だけど、下着じゃないから恥ずかしくないし。うん、彼なら恥ずかしくないな。

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同性の嫉妬って怖い。だってあたしと会った女装のミミ君を尾行して、なんと男装に着替えるところを調べられて、それをまたしてもチクられたんだから。女装の彼に会ったのは、まだ3回なのに。で、今日はマネージャーさんからの呼び出し。
「この子、前に会っていた男の子だろ?」

ふふふ、前回と違ってこっちも対策済みなのよ。
「妹って聞いていたけど違うの?」
とびっくした様子を見せる。マネージャー氏が一瞬きょとんとして
「ふわっふわっふわっ」
と笑い出した。成功? うんうん、この1年間のアイドル訓練で演技力には自信があるのだ。

あ、でもマネージャー氏、悪い顔をしている。
「ちょっと彼を女装した格好でつれて来てもらえない?」
は? 詳しく聞くと、女装が似合っているし、愚痴の聞き役はいた方がいいし、この際、女の子としてチームに加えようと思ってるらしい。

半年後に本音を聞く機会があったけど、チクられた当時、相手が女装して、しかもこっちはまだ人気アイドルでもなんでもないんだから全然問題なかったんだっって。そして、クチった子の説明によると、人目で男ってわからなかったみたいだったので、その歳で女装が上手いのは面白そうと思って会ってみることにしたとか。悪い顔してたはずだわあ。

んで、ミミ君をチームの下っ端に入れる件に関しては、着替えの場所だけ気をつければ良いみたい。着替えの必要が本格化する1年後までにクリアする条件は、彼が着替えるところを他の女の子が見ても気付かないようにすることと、私以外の女の子の着替えの場に居合わせないようにすること。そしてそれはマネージャーさんによれば可能だろうとのこと。(もしも使い物になりそうなら)チクった子とユニットを組ませると含ませることで、そっちも対策するんだって。チームメンバーってことだと秘密を守る立場になるし、あたしから名目上とはいえ彼氏を奪えて自尊心を満たして嫉妬による妨害は今後なくなるだろうかた。純真なミミ君だって、あたし以外の女の子と親密になれてハッピーで、しかも2人いると監視というか辞めにくくなるというか。なるほどなあ。

とりあえずミミ君にどう話を持ち込むかだけど、マネージャー氏の言うには「マネージャー氏が会ってみたい」「こそこそしなくてもあたしに会えるように計らうらしい」という、嘘にギリギリならない言い方で誘えとのことで、次の「デート」にマネージャー氏が来る了解を取り付ければ良いらしい。確かに、これなら彼も乗るよね。

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いよいよ当日になったんんだけど、そのまあ引き合わせたんじゃ面白くないってことでひと芝居打つことになっちゃった。マネージャー氏が「親戚の叔父さん」を装って、たまたまあたし達にばったり出会ったってことにして、その際にあたしがアキ君を「友達の妹」として紹介する流れ。アキ君は、直後にくるはずのマネージャー氏とかち合うことを怖れて、きっと混乱するだろうけど、その時の反応を見れば、最高の面接試験になるとか。ブラックだああ。

で、マネージャー氏のターン。
「初めまして。さすがチイちゃん(あ、あたし千佳っていうんでチイちゃん呼び)の知り合いだけあって可愛いね。5年生? 6年生? それともまさか4年生?」
うわあ。確かに女の子なら6年生より5年生に近いかもねえ。男の子としても6年生の真ん中下ぐらいだから。ミミ君は早生まれの中でもチビだものなあ。
「あ、初めまして。田中ミミです。えっと(間があって)これでも6年生です」
えらい偉い、友達の妹っていうあたしの説明で、中一って言うのを避けたんだね。でも、これであたしの年下=下僕決定ね。ふふふ。

10分ぐらいおしゃべりをして、
「じゃあ、チイちゃん、そろそろ移動しようっか」
とマネージャー氏が切り出したところでミミ君はまたしても????な状態。いいねえ。とりあえずあたしがミミ君に「この人、親戚ってのは嘘で、実はうちのマネージャー。ほら、話してたでしょ?」
と説明してやっと納得してくれたのでした。

そのままデート場所からマネージャー氏の車で事務所まで移動しました。そこでようやく本題、マネージャー氏によるミミ君スカウト作戦。あたし達のチームへの参加を目指して訓練生になるって話ね。正式な公募面接(半年に一度、あたしが受けた奴)まで3ヶ月以上あるけど、この手の途中参加(最近の組は2ヶ月前に始まったばかり)は、あたしの組にもいたし。養成所って飛び級だってあるところだからね。

スカウト作戦はもちろん大成功。だってマネージャー氏の口説き文句が凄いのなんの。女装なんていう、普通だったらあり得ないような話も、その気になっておかしくない説得で、そこにあたしまで説得に加わるんだから、あたしに気のあるミミ君が迷わないはずが無い。最後は恥ずかしそうにしながらも、現状打破の切っ掛けとして乗ってくれることになったんだ。

うん、とってもよい現状打破よ。そう、あたしは思ったけど、マネージャー氏に言わせると、潜在的な女装体験願望(コスプレ願望に毛が生えたやつで、常時女装願望とは全然違うらしい)があるのだろうって。どうかなあ。

そのあと、母親(養育費付きの離婚母子家庭だっても知らなかった)のほうの説得もあたしとマネージャー氏の方からして、OK。母子家庭だけど毎年100万円余分にかかる私学に行っていることからも分かるように、元夫からの補助が大きいんで、アイドル養成所のコースの一部の月謝くらいはなんとかなるみたい。とはいっても、あたしが初年度に参加した4クラスの半分の2クラスしか参加できないけど。

子役転生(あらすじ) - 夢喰

2018/04/02 (Mon) 23:29:08

何度も修正追加をしそうなので、アイデアだけだけとこちらに

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転生前「美少女ものをこっそり二次創作するぐらいのコアな隠れファン」である、表向き正義感の強い20歳前半
生まれ変わったら、3歳ぐらいから「夢」で前世を思い出す、事実上の睡眠英才教育。

そして4歳後半。古くなって改築が予定されているスタジオの訪問客向けコース訪問で「子供にしか通れない足下通気口」「ちょっと崩れた穴」などのコンビで、撮影裏手に出てしまう。当然、カメラクルーに見つかるも、撮影中なので、一区切りつくまで待機。
その一区切りのタイミングで「女の子」の子役(台詞なし)が来れないことが分かって、騒動が始まり、その中をカメラクルーに連れ出されようとして見つかる。

その役は、後日、8〜9歳の少女として主役をはる女の子が初めて使い魔の猫と出会う場面で、親からはぐれて泣きかけているところに猫が声をかけ、はじめは化け猫とばかりに怯えていた様子から次第に笑っていく流れを示すもの。台詞は後日登場する少女のアフレコを使うので、棒読みでも構わないし、どんな天才子役でも表情を指示通りに出せるような年齢ではないから、そこは物とかお話とかで誘導することになっている。要するに不細工でない女の子で、喜怒哀楽を出せる子なら誰でも勤まる役。そんな役なので、他のシーンと違って本番直前にいきなりリハをやって、2〜3回撮って終わりだ。

もともと、たとい女の子であってもウイッグをする予定だった上に、年齢も4〜6歳程度で男女の違いは小さい時期なので、後ろめたいような心残りのあるような表情の男の子に、監督が「とりあえず、猫の撮影はあれでいいんじゃねえ」とダメ元で女装演技させることになる。具体的には、子供の背中を見せつつ猫を映して、シーンだけ確保し、後日子役だけを改めて撮るというものだ。どうせカメラは多重に置いているから、子供の方の「演技」もお土産用に写し「迷子対策の不備へのお詫び」と称して親に渡せば全てが丸く収まる。男の子は女装なんて嫌がるだろうが、少なくとも親は喜ぶ筈だ。

一方、主人公はもと「美少女ものオタク」だから、それを不可抗力で演じる機会は最高で、申し訳程度に「女の子の服=嫌」「でもファンだから変装(コスプレ)ってことでOK」というやり取りだけで、当然乗り、しかも、コアなオタクだけに、ファンの喜ぶ仕草は完全に再現出来る。ましてや今は幼児。体型の男女の違いも気にならず、本来使う筈だった子役を遥かに超える仕草と表情で、監督を喜ばせ、結局、実際に使えるぐらいにきちんと撮る。

で、親が来て、遅かりし書類をそろえて一気にデビュー。

その後、当然、男の子の演技も試してみたが、こっちは全然だめ。年齢=彼女なしの男は、幼児にもどっても男の子は演技出来ない。そういう経緯で女装専門の子役となる。

ちなみに幼稚園では完全に男の子だから、秘密も守られる。家から出る時も男の子の服で、スタジオの中だけの女装。ロケも一旦スタジオ等で着替えてから。ただし、ロケでは引率付きで女子トイレ。子供だから引率付きなら問題なし。こうして、次第に女装が生活を浸食して行く。

四月馬鹿2編 - 夢喰

2018/04/01 (Sun) 15:08:12

1.
 今日は4月1日。着任する先生と定年引退する先生の挨拶で登校日になっている。毎年クラスメート(毎年メンバーは違うけど)で四月馬鹿を楽しんでいるけど、僕の嘘は完全にから回りだった。昨年は他のクラスメートがアイドルの動向とか、漫画の最新版の裏情報とか、先生に恋人が出来たらしいとか、そんな話をしているなか、ユニークさで勝負とばかり
「この陽気にカエルを見つけた」
と言ったら逆手に取られて
「うん、オレも見つけたので、おまえののかばんに入れといたぞ」
と言われ、びっくりしてあわてて鞄の中を調べたりして笑われる始末だ。
 どうしてもぎゃふんと言わせてやりたい、と思い悩んでいると、終業式の日に女子のクラスメート2人(僕が密かに好意を抱いているトップ5の2人)から「転校生の振りをする」という提案を受けた。カツラをして、ちょっと顔をいじれって、女の子の振りをすれば、登校日の数時間ぐらいは分からないだろうとのことだ。他ならぬこの二人が僕を助ける為に、そこまでしてくれるなんて、と感激したし、衣装合わせというか顔をいじる練習の為に彼女たちに何度も会えると思うと、思わず嬉しくなって、嬉々として提案に乗った。もっとも、その為に
「そんなに嬉しそうにして、もしかして装してみたかったの?」
とニヤニヤされてしまったのは全くの不覚で、顔が熱くなるのを感じてしまったのは二重に失態だったけど。
 こうして僕と彼女たちの「メイクアップ」練習が始まったのだけど、その初日にびっくりしたのが、カツラが本物の黒髪ボブの自然なカツラだったことだ。なんでも親戚から中古のカツラを借りたか貰ったかしたらしい。そこまでされると、僕みたいなモテない男の子に、と気持ち悪くなりそうだが、裏があることはすぐに分かった。だって、メイクアップ中は、いかにも「実験台で練習していますよ」という会話を続けているし、
「そのかつら気に入ったら、○○のゲームと交換でもう一回貸してあげるわよ」
とあけすけに僕がお年玉で買ったゲームを指定してくるのだから。ここまで下心満載だと、かえって安心してしまうのは、モブ男のう悲しい性かもしれない。それでも彼女たちの近くにいることに幸せを感じる僕は、エープリルフール作戦への協力という名目を守って、彼女たちの練習台にすすんで付き合った。顔だけでなく、カツラの付け方とか、姿勢とか歩き方とか、スカートを留める位置とか。
 ネット情報を集め、試行錯誤を繰り返したのだけど、僕には3回目以降は2回目との違いなんて全然わからなかった。でも、彼女たちに言わせれば「より女の子らしくなっている」とのことで、彼女たちの化粧の練習台の言い訳だけでもなさそうだった。いや化粧練習の言い訳でもこっちが好意を持っている女の子と一緒にいるのは楽しいから良いのだけど。
 それにしても、無駄な知識ばかりが増えていく。中には、腰(骨の位置をさすこと)とウエスト(腰の骨と肋骨の骨の間の空白地域)の意味が全然違うこと、要するに「ウエスト」に合う正しい訳語が未だに日本語に存在しないこととか、男のウエストの位置と女のウエストの位置が全然違っていること、子供でも女のほうが膝、肩など関節が細く、胸囲は男のほうが大きいことなど、役に立つかもしれない知識もあったけど、大抵はどうでも良い知識が増えてしまった。タックとかブラジャーのサイズの呼び方とかは言うに及ばず、スカートをホックで留める場所は僕の場合は肋骨でなければならないことや、それだと簡単にずれ落ちるから、肩から吊るすタイプのスカートの方が良いこと、スカートに女の子っぽい輪郭を与える為に、タオルや古パンストをパンツの裏に入れなければならないこと、それがずれ落ちないようにするには、いっそのこと二重履きにして、あそこをタックしやすくする技術とか、本当にどうでも良いことだらけだった。女装の難しい。

 こうして迎えた4月1日。まず彼女達のうちの登校路に近い方の家に寄り、そこで着替えと変装を済ませて一緒に登校した。

 結果は散々だった。いきなり彼女が、教室でたむろしている女友達に
「あ、こっち**君ね、女の子になりたいんだって。だからちょっと似合うかどうか試してみたの」
と紹介したからだ。僕がどんなに否定しても、もうひとりの女の子の「証言」もあって、エープリルフールとは思われなかった。ネタ明かしは始業式の日にまで延ばされて、その後も誤解を完全に解くことは出来なかった。あとから彼女たちに言い訳を聞くと、当日の朝、突然、この「二重嘘」を思いついたそうだ。
 こうして僕はイベント要員として、イベントがあるごとに女装を要求されるようになった。でも良いこともあった。再び同じクラスになった彼女たちと一緒に過ごす時間が増えたのだ。もっとも家を訪問すると3回に1回は「新しく入手した方法」による化粧の練習台となって、そのついでに女装もさせられるけど。
 それにしても人間は慣れる動物だとくつずく実感した、2学期には女装を楽しみ始めている自分を発見したから。男では絶対に着れないような服とか、怪盗と同じく変装している気分になれるからだ。それも女の子公認。普通は「現実」の女装はキモいって思われるそうだ。だから、いつしか下着女装にすら目覚めるようになってしまったけど、しかたないよね。中学では女装デビューしてみても面白いかな、と変な好奇心が生まれて来て、ちょっと困っている。


2.
 スーパーの折り込み広告だって衣料品ではモデルの写真があったりするけど、そのうちの子供服は、服のメーカーから提供される写真以外はそれこそ家族親戚ご近所でまかなうのが常識だ。今回のチラシは新学期特集で、特に子供服が多い。というのも子供の新学期デビューが上手く行くことを願って、親の財布の紐が緩む時期だからだ。
 普段のように3学年おきの男女1名ずつではとても間に合わない。もちろん、モデルが風邪をひいて撮影の日に来れなかったからという理由(他の時期なら良いのだけど)で人を省略するなんて、他の時期は良くてもこの時期は戦略的にまずい。特に女の子の服はそうだ。
 とはいえ、3月下旬はみなバタバタして、毎年綱渡りだった。今年もその例にもれず、いや、例年より悪く、撮影の日に実際に来れたのは男子がギリギリ数で、女子は2人不足。小学校高学年と中学生が足りない。高校1年(2年直前)がひとりいるので、その年齢レンジはカバー出来るが、10歳代前半がまったく無理なのだ。反抗期前(人によっては手遅れだけど)の親が子供を着飾れる最後の年代で、当然、親の財布は緩む。その写真を外すなんてあり得ないが、このままでが4月1日のセール開始に間に合わない。

 4月1日、4月1日、ぶつぶつ。

 このとき閃いたんだ。四月馬鹿「嘘を探せ」企画を。そう、男の子に女の子の服のモデルをやって貰うことを。
 チラシに堂々と「モデルの中に変装で騙している人がいます。当てた方から先着抽選で3名様に**をプレゼント」と書けば、チラシを丁寧に見てくれるだろうし「男の子ですらこんなに可愛くなれる服」ということで売りやすいかもしれない。幸いこの年代の男子は背の高さだけなら女子と変わらないし、何故か運良くサイズのあう男の子は3人もいた。そこで2人に女の子役をしてもらうことのした。一人だけの女装なら気が引けても仲間もいて、かつお小遣いも貰えるな協力してくれる可能性があがるからだ。
 あとはカツラだけ。たしか専門店のほうに売り物があったな。早速電話して協力を取り付けた。ついでに企画の中に「変装のウイッグもセール中です。詳しくはそちらのページを」とやって、変装者のウイッグの種類のヒントも入れておく。

 半年後。どういう訳か、その時の男子のうちの一人は、あまりにも好評で、女装モデルとしてうちのチラシの「顔」になってしまった。そのせいか、今や女の子の服のほうは男の子の服よりしっくりするほどだ。男の娘ってわけじゃないのに、回りがそう思ってしまうのって、やはり人間は社会的動物って気がする。あるいは着こなしの場数か。となると、彼が学校ではどういう格好をしているのか。彼の親は何も教えてくれない。

ドーピング - 夢喰

2018/03/17 (Sat) 17:22:30


 ドーピングは常にスポーツ界を悩ませる問題だ。
 昔は問題なかった。勝てれば良いのだから。買ったところでアマチュアである限り、金とは無関係だからだ。
 しかし、現代は違う。たとい賞金がなくとも「名誉」はがからむスポーツは「金」も動くし、名誉は金をも引き寄せる。メジャーレースに優勝した者は、その実績だけで、その後3年は参加するだけで大きな報酬がもらえる。ビッグネームは視聴率が稼げるからだ。
 そうなると、その昔設定された「才能と努力と精神的強さなどだけで人類のベストを決めるフェアな戦い」というが要求が、厳格の守られるようになる。視聴者が建前を本気にしてしまうからだ。その結果、建前を守れないレースは「メジャーレース」の座から転げ落ち、スポンサーもつかなくなる。2002年のソルトレーク五輪で大規模なドーピングが摘発された距離スキーなどは、テレビ放映権の大幅な値下がりで、その後1年以上にも渡ってワールドカップの開催自治体が大きな赤字を抱えるほどになった。
 ドーピング禁止の建前が生まれた元をたどると、事情はもっと複雑だ。
 その昔の冷戦時代、東側の選手には、国指導の元に男性ホルモンで筋肉作りをしているのではないか、という疑惑があった。それは今でも残る。だからこそロシアの国ぐるみドーピングに不思議さを感じなかったりするのだ。とはいえ、国レベルの介入を避難するのは冷戦時代には禁じ手だった。そこで登場したドーピング規制の理屈が「長い目で人体に悪影響を与える」という健康面からの配慮だ。
 西側の選手でも男性ホルモンの使用ケースはあり、その副作用として、女性が毛深くなったり男性的な体つきになったり(彼女らが「女装」すると、まさにムキムキ男の女装のように見えることもあった)するのは当然だが、実は男性にも男性機能不全などの副作用が出ていたのである。
 この種の長期的な「男性的」筋肉作りを目的とするドーピングの他にも、興奮剤のように試合前に使用する類いがある。身体機能の限界を超えて酷使させるので、当然これも体に悪影響を残す。規制の理由としては十分だ。
 しかしだからと言って、ドーピングのすべてが体に悪いかというと、それは限らない。スキージャンプではアルコールすらドーピングとして禁止される。適量であれば度胸がついて飛距離が伸びるからだ。ただし、その「適量」に個人差があり、それを超えると事故リスクが一気にあがる。だからこそ「公平」を期して一律禁止なのだ。
 健康問題という「建前上の規制理由」がかくも希薄である以上、ドーピング薬の需要は消えない。バレさえしなければ、僅かな健康リスクだけで生涯収入が大きくかわる可能性があるからだ。しかも新開発の直後は、検査の項目にない故に、バレるリスクがゼロに近い。だからこそ、この種の「新規開発」に対抗すべく「検体を一定期間保管して1〜2年後の新しい検査リストに照らし合わせる」という対策が提案されているのだ。しかし、痴漢えん罪と同じく、ドーピングえん罪という厄介な事件が増え始めた現代、完全な検査は難しいだろう。そこに抜け道がある。
 その意味で、究極の長期ドーピング薬は、始めからドーピングリストに入りそうにない薬だ。たとえば、使用による身体的特徴の変化が、より華奢な方向に向かえば、たとい筋肉の質が圧倒的に上がるような薬でも、女性ホルモン同様に、はじめから登録されないだろう。特に、骨格までも女性的に変化させることができれば、間違ってもドーピングとは思われない。となれば、「骨を削り」「肉を削って」、筋肉の効率を一時的に高めるような薬は、むしろ盲点となろう。たとい多少の副作用があろうとも、それは医薬品・医薬代用品という厚労省的な意味で問題になろうとも、ドーピングというスポーツ庁的な意味では問題になりそうにないからだ。たとい長い目では男性機能を奪う事実上の去勢薬だとしてもだ。


 そんな夢のような薬なんて開発不可能だろう。そう、誰もが思っていた。我が社だってそうだ。というか我が社は、そんなグレーな薬は作らない全うな会社だ。その我が社が、そんなドーピング薬を開発してしまったのは偶然だった。
 我が社は色々な医薬品や医薬部外品を製造・販売しているが、その中でもウエートが高いのがダイエット薬と成人病予防薬だ。しかし、これら人気の高い分野は競争も激しく、利益率はそこまででもない。そこで開発を始めたのがメタボ対策薬だ。
 メタボ対策は中年太りの始まった男性が一度は考え、その配偶者が、口に出す出さないの差はあるにせと、本気で心配する、潜在需要の極めて高い分野だ。贅肉化した筋肉はエントロピー増大の法則に従って脂肪の塊と化し、成人病の元となるからだ。そのくせダイエットや運動等を試した99%が失敗して、最終的に諦める。
 そこで登場するのがダイエット薬だが、女性と違い男性はただ痩せればよいのではない。脂肪を筋肉に戻したいのだ。そんなの無理に決まっている、と誰もが思い、いつまでも開発されなかった。そこに我が社は注目したのだ。対象を男性に絞ることで、無差別に脂肪を減らす(それは女性の象徴からも脂肪を消して筋肉に変えることを意味するからダイエット薬としては禁忌だった)という発想と、脂肪のみに限らず「無駄な組織を全て筋肉に変える」という発想で開発を続けた結果、多くの偶然が重なって薬は完成した。
 効果は覿面だった。皮下脂肪はもちろんのこと、年齢相当に発達した内臓脂肪も筋肉と変わり、骨すらも一部が筋肉に変わったのだから。骨だって老人の例を見れば分かるように軽くなることがある。それが新陳代謝ってやつだ。具体的には消失する無駄な組織の容積の半分が筋肉となり、半分が、この「若返り新陳代謝」のエネルギーとして消失した。特にメタボ内蔵の圧力で肥大化していた肋骨の矮小化は速かった。肋骨が小さくなれば、肩だっていかり肩からなで肩になり、その分が筋肉に変わる。細マッチョの誕生である。
 そうして生まれた薬は、何らかの形で臨床実験しないと売り物にならない。しかも各種の規制をクリアーしないといけない。そこで思いついたのが、これをドーピング薬として裏で捌くことだった。というのも、薬の性質上、普通に発売したら、自転車やスケート、馬術など、軽量な体と良質の筋肉の組み合わせが最適となる競技を中心に、ドーピングリストに載ることは間違いないからだ。そして、普通のメタボ対策薬でなく、ドーピング薬として「臨床実験」させた場合、10倍以上の価格を設定出来そうだからだ。
 こうして、我が社は「メタボ対策薬」を「筋肉の質、特に持久力をを高める」「まだドーピングリストに載っていない」薬として水面下で流通させることを始めた。それは決して違法行為ではない。ドーピングという点においてのみグレーなだけだ。
 こうして流通を始めた薬は、ドーピングに頼ってしまいそうな心の弱い男子選手に究極の選択を与えたあたえた。その結果は我が社に取っては若干不十分だったといえよう。というのも、意志の弱さ故に、この「グレーゾーン」の薬に頼ってしまった選手は、確かに3年間だけの栄光を得た。しかし、その後はすっかり女子と見まごう輪郭となったことによる「性同一性障害」疑惑への恥ずかしさから、引退を余儀なくされる結末を与えたからだ。以下は、その被験者の体験談だ。


 私が大学1年のとき、とある会社から「筋肉の質、特に持久力をを高める」という薬の1年間モニターを提案された。会社の説明を鵜呑みにした私は、大学生1年夏休み直後(どんなに頑張っても無理だと夏休みで悟った)から使用しはじめて、部活の最下辺から1年でエースにのしあがり、念願の彼女も出来た。だから、2年目以降は、ちょっと高いと思いつつも購入することにしたのだ。それは私に輝かしい戦績を残した。
 ただ、気になったのが、使用1年半を過ぎたあたりから、次第にシャツと靴がブカブカになりはじめたことだ、そのくせ骨盤のサイズだけは変わらないので、サイズのあうズボンが見つからなくなってきた。そうして2年半、リクルートスーツを買う季節となったが、どんなに細めを選んでもブカブカすぎて面接で調子が出ない。極めつけは4年の後半、ズボンの裾が広がって踏みつけそうなりはじめたのだ。面接で悪印象を与えないことを望むしかない状態だった。
 とはいえ、就職自体は部活のエースという経験のお陰で、なんとか第3志望(本音)に滑り込めたが、そもそもエースというだけで、人を統率する能力があった訳ではないから(だから部長にもキャプテンにもなれなかった)、仕事は縁の下系の内容が多く、同期に比べて外部の人に会う機会も少なかった。まあ、私のようにスーツが体型的に似合っていない社員を表に出すのはためらわれるだろうし、持久系スポーツの能力から我慢強いと思われたのだろう。
 会社に入っても私はスポーツを続けた。頻度こそ週4回に減ったが、年齢的にまだまだ伸びる時期だからだ。練習不足分は薬で補っているものの、量を増やしているのに効果が落ちていて、私はそれを練習不足の為だと単純に思っていた。
 そうして更に1年。体が華奢になっただけでなく、その代償のお陰で高まっていた筋肉の質は、入社以来停滞し、最後の数ヶ月は筋力が目に見えて落ち始めたのだ。だから才能に見切りをつけた私はスポーツを完全に趣程度にして、薬も減らした。
 その頃からだろうか、女子社員から変な質問を受けるようになった。どうやって内股にするのか、とか、腰の括れってどうやって作るのとか、レディースのズボンを持っていないのかとか。そんな質問を男にするのが解せない。いや、こういう質問を受けて、私は自分の体が単に華奢なだけでなく、女性的になっていることに気がついて愕然とし、その副次作用にショックを受けた。例えば飲み会。忘年会あたりから芸のリクエストでコスプレを要求されるようになった。女のコスプレだ。
 深刻なのが朝の満員電車だ。変な体験は増えているのだ。尻を触られ、そして直ぐに引っ込められるというものだ。痴漢が触ってみて、男の尻筋肉だと気付くパターンだと気付くまでに時間がかかったが、それに気付いてから自分の体を姿見で見ると、確かに女性的だ。おそらく骨と脂肪の比率は同じなのだろうけど、体のサイズが一回り大きい分(でも何故だか肋骨は女子のそれと変わらない)、尻と腿が張って見えてしまうのだ。それどころか、尻と太腿は、女子社員のそれより女性的だった。痴漢に対して不快感が急速に上がっただけでなく、恐怖を覚えるようにすらなった。同じ車両に乗りたくないと。
 体型変化はドーピング薬のせいに違いない。そう思った私は薬を完全に止めて、筋肉トレーニングに精を出し、プロテインを飲んだ。でもそ転落は早かった。華奢な体つきのまま、筋肉がどんどん贅肉に変わり、女性的な弾力を持つようになったからだ。女性専用車をこの時ほど羨ましく思ったことはない。今の私なら、女装して香水をすれば女性専用車でもバレないだろう。でもそれはやっぱり犯罪だよなあ、
 入社して1年半。研修を終えた1年後輩の新入社員には「なぜあの人は男装が許されているの?」と陰口を叩かれたこともある。通勤時に尻を触られる頻度も遥かに増えてしまった。それだけではない。こっちが男と気付かないケースが急速に増えているのだ。以前思った女装という考えが頭をよぎる。
 女装は女子社員からも冗談半分に薦められたりしている。実際、完全なネタのつもりで言っているのだろうが、こっちとしては深刻に考える問題となってしまったのだ。
 だから、女装の練習を兼ねて、飲み会で覚えたコスプレに最近はまっている。コスプレ会場なら女装も公認だからだ。そして私の心の中では、会場だけでなく、自宅からの往復も女装を試してみたい挑戦心が芽生えている。

無題 - 夢喰

2017/12/31 (Sun) 00:36:42

国際できちゃった婚では、出産クライシス(出産後3ヶ月〜1年で妻の夫に対する愛情が急速に消える現象)を経た母親が、それまでなんとか新婚モードで乗り切ってきた異国文化になじめなくなって、勝手に帰国し、そのまま離婚に至る例が一定割合存在する。そうでなくとも数年・十数年後に夫婦の関係が冷えきって離婚する例は更に多くある。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol82/index.html
その場合、その後、子供の親権を得ようとする母親は非常に多い。しかし、日本人の父親と違って白人の父親は、簡単には親権を手放さない。勝手に逃げて、更に子供まで奪うというのは、非常識な欲求だからだ。現に、ハーグ条約では、父親が家庭内暴力などの犯罪行為をしていない限り、父親側の親権主張を優先させる。

問題は、母親が子供を拉致して日本につれて帰った場合だ。日本も条約制定から30年後の2013年にようやく批准したものの、それでも母親が日本に連れ帰る例が少なからずある。口実はDVだが、これは痴漢えん罪と同じ構造で、実際にDVであった例はほとんどない。

ハーグ条約では子供は母親・父親を選ぶことは出来ない。それこそ中学の生徒会長でもしそうなしっかりした子供が明確な意思表明をした場合は裁判所が考慮することもあるが、さもなくば拉致された子供は、速やかに父親の元に戻らなければならない。

もっとも、国内の離婚と異なり、国際離婚では親権は両親双方に与えられるのが普通で、航空券さえ確保出来れば、子供が毎年一定期間母親の元で過ごすことは可能である。だからその母親は、その期間を利用して、息子を「父親が欲しがらない」ような嗜好を持つように洗脳したいと考えた。


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